おなか の病気 のお話

2017/07/29

 お腹の病気それは食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、脾臓など
多岐にわたりますが簡単に、おなかの病気についてご説明させていただきます。
 まずは食道からです。食道は咽頭部から連続して始まり胃までの筒状の臓器で基本的には
食事、水分、唾液などを胃に運ぶだけの臓器であります。ここに起こる病気として、多いものは
逆流性食道炎、食道カンジダ、食道がん、食道粘膜下腫瘍食道静脈瘤、クローン病、好酸球性食道炎、
食道憩室、食道アカラシアなどがあります。食物の通過する臓器である特性上、
症状も多くの場合が食道のつかえ感や食事の滞留感であったり、胸部痛であったりします。
上記疾患の診断は胃カメラで診断していくことが多いですので、症状がおありであれば
是非ご相談ください。引き続き胃のお話をします。胃は体表からみると心窩部近傍にある袋状の臓器で、
ご存知のように消化と吸収や、たべものの十二指腸への排泄などを行っております。
またここには多くの病気が潜んでいることも皆様の知るところだとおもいます。
とくに胃癌、胃潰瘍、(十二指腸潰瘍)、血小板減少症、胃MALTリンパ腫、巨大肥厚性胃炎などは
ピロリ菌に関連しておりますのでピロリ菌の除菌をおすすめします。また癌は早期発見があれば、
今の時代必ずしも不治の病ではなくなっておりますので、気になるようであれば胃カメラ
(上部消化管内視鏡検査)をおすすめします。そのほか胃粘膜下腫瘍、胃静脈瘤、好酸球性胃腸症、
感染性胃腸炎、クローン病、胃アニサキス症など多くの疾患がありますがセカンドオピニオン含め、
当院では対応しておりますので是非ご相談ください。
 次は十二指腸です。十二指腸とは胃からトライツ靱帯までの腸管のことを言います。
解剖学的に球部、下降部、水平部に分けられております。また十二指腸起こる病気としては
十二指腸潰瘍、十二指腸炎、十二指腸線種十二指腸癌、乳頭部腫瘍、十二指腸粘膜下腫瘍、
上腸間膜動脈症候群、クローン病、好酸球性胃腸症などがあります。十二指腸までは胃カメラ
(上部消化管内視鏡)が届くので診断には有用です。症状があるようであればご相談ください。
 次に小腸の病気をお聞ききになる頻度は少ないと思われますが、医者側も結構頻度は低いです。
 まず小腸とは長さ約6メートル程の長い管状の臓器です、口側から十二指腸、空腸、回腸
にわかれております。十二指腸に関しては前回のお腹の病気③で説明の通りですのでご参考ください。
一般的に小腸は栄養の吸収と食物の運搬をしています。小腸粘膜から消化酵素が分泌され、脂肪酸や、
ブドウ糖、アミノ酸などを分解して消化しています、また小腸は食物を移動させながら食物の栄養素を
吸収していきます。小腸にできる病気としては消化管出血(Obscure Gastrointestinal Bleeding:
OGIB)、小腸腫瘍、腸重積(ちょうじゅうせき)、腸閉塞(ちょうへいそく)、吸収不良症候群、
クローン病、ベーチェット病、 メッケル憩室、小腸癌などがありますが、消化器全体から見ると
頻度は低いですのであくまでご参考までに・・
 次は大腸です大腸は全長約1.6m程度あり盲腸、結腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)、直腸に
わけられております。人体の中では、一部の栄養素の吸収と細菌による残った食物の発酵や水分の
吸収が行われるている場所になっております。また、吸収されずに残ったものが便となって、
排泄されるまでの間、貯留して、その時間が長いと便秘やその時間が短いと軟便になったりします。
大腸に起こる病気としては大腸腺腫、過形成性ポリープ、家族性大腸腺腫症、大腸癌、大腸カルチノイド、
悪性リンパ腫、大腸粘膜下腫瘍、大腸憩室、虚血性腸炎、消化管アミロイドーシス、直腸潰瘍、内痔核、
潰瘍性大腸炎、クローン病、放射線性腸炎等々多くの疾患の発生する場所でもありますが、
 おなかの次の臓器は胆嚢です。胆のうは肝臓から排泄された胆汁を一時的にプールして食事の通過とともに
胆汁を排泄して食事と胆汁を混ぜて食事中の脂分を消化しやすくしたり、排泄の一部を担ったりとしています。
胆のうに起きる病気としてあるものは、胆のうポリープ、胆のう腺筋腫症、胆のう結石症、胆のう炎、
胆のう癌などがあります。食後の腹痛、脂分の多いものなど食べた後の右季肋部痛など特徴的なものも
ありますので、腹痛などありましたらご相談ください。
 おなかの病気の次は膵臓です。膵臓の病気についてフォーカスを当てていきます。
膵臓は胃の近くのやや臍よりにある約15cm程の、インスリンやグルカゴンなどのホルモンを
分泌するとともに、リパーゼ、アミラーゼやキモトリプシノーゲンなどの消化酵素を作る臓器
です。膵臓におこる病気としてあるのは、急性膵炎、慢性膵炎、自己免疫性膵炎、膵臓癌、
膵のう胞性疾患、インスリノーマ、ガストリノーマなどがあります。
 次は肝臓です肝臓の働きは多岐にわたり腎臓は人工透析等で機械で代用できますが、
肝臓は現在の技術力を使っても実用化の機械として代用はできておりません。
それは肝臓の働きが多いことにもよるところです。①胆汁酸の抱合、②タンパク質と尿素の合成、
③脂質の代謝、④糖の貯蔵と放出④ビタミンD代謝のにかんずる機能、⑤ホルモンの分解・代謝、
⑥脂質代謝に関する機能、⑦有害物質の解毒など多くの体内の機能を担っております。
そして肝臓におこる病気としてはA型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、E型肝炎、門脈圧亢進症、
肝性脳症、肝腎症候群、劇症肝炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎、肝硬変
脂肪肝、NASH、アルコール性肝炎、肝膿瘍、肝細胞癌などがあります。あまり症状を
感じる臓器でもないため健康診断などで異常が指摘されての発見が多いですがなにか
あればご相談ください。

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