オプジーボ のお話

2017/08/22

オプジーボは夢の薬か?
オプジーボの作用機序
 私たちの体の中では常にがん細胞が発生して、新しくできたがん細胞を免疫の力に
よって排除しております。それの1部を担っているのがT細胞(リンパ球)などですが
癌細胞はこの免疫細胞のT細胞(リンパ球)から、逃れる仕組みをもっております。
それはがん細胞の表面に発現させるPD-L1やPD-L2です。T細胞(リンパ球)の表面には
PD-1を発現していますPD-1は免疫を負に調整する物質で、がん細胞のPD-L1やPD-L2は
T細胞のPD-1と結合してT細胞を不活性化して免疫監視機構から逃れて増殖します。
オプシーボはPD-1抗体であり、PD-1にくっついて、T細胞ががん細胞のPD-L1やPD-L2によって
不活性化をさせられないようにするため、T細胞が癌に対して正常な免疫行動をできることで
がん細胞をしっかり駆除できるという、仕組みを使った薬剤です。当初は悪性黒色腫のみの適応
でありましたが、現在ではその適応も拡大され非小細胞性肺癌、腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、
頭頚部癌など適応疾患が増加しております。効果も悪性黒色腫の患者さんの5年生存率が
既存薬では16%であったのが35%まで上昇したりとよいようです、しかし当初は値段が高く
バッシングもありましたが、徐々に値段も低下しているようですし、今後に期待ですね。
夢の薬ではなくても、夢に1歩近づいた薬とは言えるのではないかと思います。

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