マダニによる感染症、重症熱性血小板減少症候群とは・・・

2018/06/03

 本日は東京でも夏日を記録し、6月の初夏のジャブを感じるような天気でしたね。院長もせっかくなので
ランニングをしたり運動をして大腸癌予防?に励んでおりました。暑くなってくると、注意が必要なのは、
まずは食中毒、脱水、熱中症、脳梗塞、痛風発作・・・などなど夏ならではの疾患もでてきますので、
水分補給と、古くなったものは食べないことや生肉接摂取はしないの、3原則に注意しましょう。
 また外出する機会も多くなり山や草原に入ることもあるかもしれませんが、そんな時は院長の言葉を
思いだしてください。暑いかもしれないですけれども、肌は露出しないでください!それはマダニが媒介する
ブニヤウィルス科フレボウィルス属の重症熱性血小板減少症候群ウィルスによる致死率の高い感染症が
日本国内にもあるからです。ブニヤウィルス科フレボウィルス属の重症熱性血小板減少症候群ウィルスは2011年に
中国の研究者らによって発表された、今までは知られていなかった感染症です。2013年には国内でも
海外渡航歴のない方がブニヤウィルス科フレボウィルス属の重症熱性血小板減少症候群ウィルスに罹患していた
ことが初めて報告され、その後も続々と患者さんが確認されるようになっていきました。ブニヤウィルス科
フレボウィルス属の重症熱性血小板減少症候群ウィルスに感染すると6日〜2週間の潜伏期を経て、発熱、
消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が認められることが多く、その他頭痛、筋肉痛、意識障害
や失語(言葉がうまく話せない)などの神経症状やリンパ節腫脹、皮下出血や下血などの出血症状などをおこす
こともあります。日本では4類感染症に分類され、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に報告しなければ
なりません。血液検査では白血球減少や血小板の減少、肝酵素の上昇などが多くの症例で認められ、
血清フェリチンの上昇や骨髄での血球貪食像も認められることがあります。致死率は現在までの集計では263例
の報告で61例の方が亡くなられており、約23%の致死率となっております・・・(危険ですよね・・・)
有効な薬剤やワクチンは今のところ見つかっておらず、(アビガン錠なら理論的には効くかもですが・・・
国管理の薬剤のため一般には流通しておりません)対症療法が基本になります。また一般的にはマダニに
噛まれなければかかりませんが、血液等の患者体液との接触により、人から人への感染も報告されているため、
医療従事者や感染された患者さんのご家族は注意が必要です。いたずらに委縮してしまう必要はなく、虫よけや
肌の露出を控えて、しっかり備えをして、楽しい夏の行楽シーズンをお過ごしください!!

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