糖尿病 のお話

2017/08/05

 糖尿病は 平成26年の厚生労働省の患者踏査によると、患者数は316万6,000人となり、
日本人の30人に1人は糖尿病となる計算です。また糖尿病有病者(糖尿病が強く疑われる人)の割合は、
男性で15.5%、女性で9.8%と他人ごとではなさそうですね。ちょっと自分も採血をしてチェック
しようかと文章を作りながらおもってしまっています。糖尿病は成人の失明原因の第2位、
血液透析が必要になる原因の第1位が糖尿病。心筋梗塞・狭心症の危険は、糖尿病でない人の3~4倍
となかなか手ごわい病気ですので人間ドックや健康診断で血糖値異常やHbA1C異常を指摘された
とかがあればご相談ください。

糖尿病の診断基準(なにをもって糖尿病と診断しているか)
1.空腹時の血糖が126(mg/dl)以上
2.75グラムのブドウ糖を飲み2時間後の血糖200以上(すでに糖尿病とわかっている方にはしない検査です。)
3.随時血糖200(mg/dl)以上
4.ヘモグロビンA1c(HbA1c)6.5%以上(貧血のある方には適していない検査です。)
のいずれかがあると糖尿病型となります。
血糖値とHbA1cが採血で糖尿病の診断基準に当てはまれば、糖尿病と診断されます。
別の日に行った検査で血糖値が糖尿病型と2回以上当てはまれば、糖尿病と診断されます。
糖尿病の代表的な症状が現れている、または、糖尿病網膜症であるという条件が1つある場合には、
血糖値が糖尿病型を示していれば、1回の検査でも糖尿病と診断されます。
また当院で行っている検査は1,3,4になります。健康診断などで血糖異常など指摘された際には
ご相談ください。
それでは糖尿病の(2型糖尿病)原因についてです。
糖尿病の原因は(2型糖尿病)膵臓から分泌されるインスリン作用(血糖値を下げるホルモン)
の不足により、高血糖状態を起こしてしまう病気です。健康な方では、空腹時の血糖値
は110mg/dl以下であり、食事をして血糖値が上昇しても、膵臓からインスリンが分泌され
2時間もすると空腹時のレベルに戻ります。インスリン分泌量の低下またはインスリンの抵抗性が
でてきてしまうと、食後の血糖値が上昇していき次第に空腹時の血糖値も上昇してしまいます。
2型糖尿病は多因子遺伝で、家族性に多いこともありますが、環境要因も強く、
日本での患者さんの数は増加傾向を示しております。ご心配な方はご相談ください。
最後に糖尿病の治療についてです。治療についてはある程度糖尿病
治療ガイドラインによって定められています。糖尿病の治療は、まずは食事療法と運動療法
が基本であります。3か月の食事療法と運動療法によっても改善しない場合には
薬物療法が検討されます。以前は経口血糖降下薬が多く使われておりましたが
現在では様々な新薬が出てきたこともあり、DPP‐4阻害薬、α―GI薬、SGLT2阻害薬、
ビグアナイド薬、チアゾリジン薬、SU剤、速効型インスリン分泌促進薬等をうまく
使用し、または組み合わせて併用して、糖尿病治療ガイドラインの血糖コントロール
目標を目指します。正常化を目指す目標値は6.0%未満を目標として、合併症を予防を
目標とする場合は7.0%ですが基本的には6.0%を目指したいところですね。ストレスを
感ぜずに糖尿病治療をすることが、肝要と考えておりますので一緒に当院で治療をして
いきましょう。

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