逆流性食道炎 (胸焼け、つかえ感など) のお話

2017/08/26

逆流性食道炎は近年増えてきていて、胸焼けや、つかえ感、げっぷなどの症状がでる
胃酸が食道に逆流しておこる病気です。(1990年代には人口の約2~3%の有病率でしたが
2008年以降の論文では約10%の有病率と有意に増えています。)先ほどの食道の症状のほかに
食道外症状としての咳や咽頭痛、胸痛、喘息持ちの方は喘息発作が起こることもあります。
原因としては食道裂孔ヘルニアや食道運動障害、下部食道括約筋(LES)の弛緩によっておこる
と言われ。下部食道括約筋(LES)の弛緩をさせるものとしては、タバコ、チョコレート、
炭酸飲料、脂肪食などがありますので、軽症の場合にはそのような食事や生活習慣の改善に
よっても、症状を軽減させてくれますのでお試しください。
それでも症状がある場合には内服による治療が必要になりますが、胃カメラ(上部消化管内視鏡)
を受けるのにあまり抵抗のない方はその他の疾患の除外、例えば食道癌によるつかえ感や、
好酸球性食道炎によるつかえ感、食道胃接合部癌によるげっぷなどの症状である場合も
ありますので胃カメラ(上部消化管内視鏡)で否定しておいた方がベターです、
しかしあまり胃カメラ(上部消化管内視鏡)が得意でない方はまずは内服薬から始めていくと
よいと思いますので、ご相談ください。上述のごとく健常の方ですと胃と食道の接合部は、
普段はしまっていて胃酸が逆流するのを防いでおりますがタバコ、チョコレート、炭酸飲料、
脂肪食などを摂取すると胃と食道の接合部が緩み胃酸が逆流します。(食道裂孔ヘルニアの方は
この限りではありません)軽症の逆流性食道炎の場合には、そのような食事や生活習慣の改善に
よっても、症状を軽減させてくれます。それでも改善しない場合には内服薬が選択肢になりますが、
逆流性食道炎のガイドラインによっても、胃酸をしっかり抑えてくれる内服薬であるPPI
(プロトンポンプインヒビター)が第1選択薬であることが示されております。
またそれでも効きが悪い方には、消化管運動機能改善薬や漢方を追加すると上乗せ効果がある
ことがわかっております。重症の粘膜障害のある逆流性食道炎の方はPPI内服の継続が推奨されていて、
症状の軽い粘膜障害のある逆流性食道炎の方はオンデマンド療法といって症状のある時や症状
が出そうなときに内服していただく方法がよいといわれています。また内服薬で改善しない
粘膜障害のある逆流性食道炎では外科治療も選択されることもありますので相談していきましょう。

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