便秘と腎障害の関連はある?なし?

2018/08/11

 便秘は市販薬の漢方やCMの便秘薬をつかったりすることが多いとはおもいます。しかし便秘は
おなかが張って不快なだけではなく、最新の論文では、腸内細菌叢の乱れで潜在的な慢性炎症が
おこり心血管疾患(狭心症、心筋梗塞など)だけではなく慢性腎不全とも関連することが
わかってきたようです。もともと慢性腎不全のかたは便秘になることは知られておりましたが、
近年、米国のビックデータからの観察研究では、便秘が慢性腎不全のリスク因子になることが
わかりました。その論文の内容としては、もともとの便秘とその重症度とその後のその方たちの
慢性腎不全になる頻度や、腎機能の検査データの悪化をについて、検討した論文で、交絡因子に
ついては多変量解析で除外。その結果便秘症のある方は、ない方に比べて末期腎不全のリスクが
13%上がり、より重症な便秘の方ほど慢性腎不全のリスクが上がるようです。
 また考察としてその原因は便秘による腸内細菌叢の乱れや、腸管内容物の停滞による内容物の
腐敗反応促進などにより腸管から体内(血液中に)に尿毒素などの人体に有害な物質が過剰に
取り込まれることが原因ではないかと推察を執筆者はされておりました。
Sumida k. et al J Am Soc Nephrol 2017;28:1248-58
じゃあどうすればよいの?となりますが、慢性便秘症ガイドラインにも記載されている薬剤で、
腸内細菌叢の改善や血中尿毒素(有害物質)の低下や腎線維化(腎不全化)を抑制してくれるという
データがマウスの実験ではあるようですので、今後の人間でのデータにも期待が持たれますね。
たかが便秘されど便秘と言った論文でしたね。まずは水分と運動、あとは繊維素の多いものを
摂取して、それでもだめならお医者さんと相談ですね。

診療科案内

診療Web予約

診療予約はこちら