胃粘膜下腫瘍 のお話

2017/10/22

 今回のコラムは胃粘膜下腫瘍についてです。粘膜下腫瘍といってもイメージはつきずらいとは思いますが、
上皮(消化管でいう粘膜のことで表層のこと)より下から発生した腫瘍性病変のことで、上皮(粘膜)より
下の組織である粘膜筋板や、粘膜下層、筋層、漿膜層から発生する腫瘍性病変のことを指します。
代表的なものには平滑筋種、リンパ腫、GIST、脂肪種、血管腫、迷入膵、平滑筋肉腫などがありますので単一の
疾患を示しているわけではなく、胃粘膜下腫瘍とは複数の疾患の総称になります。胃カメラ(上部消化内視鏡)
やバリウム(上部消化管造影)で見つかることが多いですが、専門医でも粘膜下腫瘍をみて、これは平滑筋種
であるとか、これはGISTであるとかすぐにわかることはないために、ルールを決めて総称しているわけであります。
粘膜下腫瘍はGISTガイドラインにより2cm以下であれば年に1回~2回の胃カメラ(上部消化管内視鏡)フォロー
でよいことに日本全国での決まりがあります。また2~5cmの場合にはCT検査、内視鏡下生検、超音波内視鏡による
針生検での組織確定の推奨と、確定診断結果によるそれぞれの治療方針にしたがうことが、ガイドライン上推奨
されております。また粘膜下腫瘍が5cm以上であれば基本的には手術が推奨されております。小難しい話になって
しまいましたが内視鏡健診やバリウム健診の3%の人が粘膜下腫瘍を持っているといわれておりますので、疑問が
ありましたらご相談ください。

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