マロリーワイス症候群(Mallory-Weiss症候群) のお話

2018/08/25

 マロリーワイス症候群!これまた聞きなれない疾患名を持ってきちゃいました・・・がその名の通り
George Mallory博士とSoma Weiss博士が世界で初めて報告したことにちなんで名付けられた疾患です。
飲酒後に嘔吐を繰り返し大量吐血にて死亡した4例という論文を、発表したことにより名前がけられました。
近年ではMallory-weiss症候群ではなくマロリーワイス裂創(tear,laceration)と表記されることも
でてきております。病態としてはしゃっくりの際や嘔吐、吐き気時に腹腔内圧が上がり、
食道胃接合部付近の粘膜が過剰に進展させられ、下部食道や胃上部に裂傷が生じることがあります。
その裂傷時に血管を傷つけると出血が起こります。出血が持続することにより血液が胃に貯まる⇒
血液は胃にとっては異物⇒たまった血液を嘔吐してしまう(異物なので嘔吐反射が惹起されます)⇒
吐血という流れになります。統計学的には、上部消化管出血例の2~6%を占めていると言われ90%の
患者さんが男性であります。
裂創は主に食道にまたがって生じると言われ、胃の小弯側に好発すると言われております。
この疾患の発見は飲酒後の嘔吐からですが、ノロウィルスやロタウィルスによる嘔吐下痢症などでも
発生しますし、嘔吐後に吐血があった際には注意が必要ですので、是非抱え込まずにご相談ください。

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