慢性便秘症 新薬の お話

2018/03/17

 当院では便秘外来も行っており、多くの患者さまにご愛顧いただいておりますが、数か月以内に
新薬が発売される予定であるため、お知らせします。現在慢性便秘症ガイドラインで推奨されている
薬剤は、マグネシウム製剤、リナクロチド錠、ルビプロストン、ラクツロースでありますが、
今回保険適応を受けるのは、今までにないタイプの作用機序による、慢性便秘症のお薬となります。
一般名はエロビキシバットでその作用機序は、胆汁酸という体内に生理的にあるもので、通常腸管から
再吸収されますが、それを再吸収させずに、大腸管腔内に流入する胆汁酸の量を増加させます。
胆汁酸は、大腸管腔内に水分および電解質を分泌させる作用があるため、また消化管運動を亢進させる為、
便中に水分が多く含まれるようになって排便効果が得られたり、消化管の運動亢進により排便効果が
得られたりといった作用機序により便秘治療効果が発現します。副作用に関しては腹痛や下痢などが
あるようで、ややほかの薬剤より副作用発現率が高いとも言われており、うまく使用したい薬剤と
考えられます。いずれにしても高齢化社会に伴い、慢性便秘症の患者さんも増加傾向にあるため相談
しながら使用していきましょう!

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