胃 皺壁腫大、皺壁肥大型胃炎 のお話
2017/12/17
胃バリウム健診や人間ドック内視鏡(胃カメラ)にて皺壁腫大、皺壁蛇行という所見を指摘される
場合がありますが、今回はそこに焦点を当ててみます。医学雑誌「胃と腸」の用語集では特に定義はなく
腫大と屈曲、蛇行呈するひだのことをいい、ひだの間の溝は狭く屈曲や蛇行が強まれば大脳回転様所見を
呈する。X線的には適度に胃壁が進展した2重造影においてひ幅が10mm以上のひだを皺壁腫大といい、
内視鏡的には十分な送気によっても腫大して観察されるひだを巨大皺壁と診断しているとのことでありました。
内視鏡のところはやや術者の主観が入ってしまいそうですね。日本消化器内視鏡学会の用語集には巨大ひだ
(giant fold)とは、幅広く屈曲して大脳回転状のひだ、とざっくり記載されております。
原因の多くはこれもまたピロリ菌による胃炎が原因であったり、まれに胃癌や悪性リンパ腫により皺壁腫大
となる場合もありますので、指摘を受けたら胃カメラ(上部消化管内視鏡)を受けましょう。
ピロリ菌による胃炎の場合には、除菌をすると著明に改善することが国内の論文でも示されております。
また巨大皺壁は7mm以上のものは4mm以下のものに比べて約35倍の胃体部癌のリスクが高まるという
国内論文がありますので、皺壁腫大の指摘を受けた方は早めのピロリ除菌が望ましいかもしれませんね。