食道憩室 についてのお話
2017/08/28
食道憩室とは、たまにバリウムや内視鏡で指摘されることのある疾患の一つです。
憩室とは、消化管の壁が外側に出っ張っている部分のことで、その外側にに筋層をもつ真性憩室と
もたない仮性憩室に分かれます。また場所やでき方によってZenker憩室、Rokitansky憩室、
横隔膜上憩室などに分類がなされます。Zenker憩室は咽頭と食道の境目にできる圧出性の
のもので筋層がない仮性憩室がほとんどです。Rokitansky憩室は、結核などの炎症により
気管分岐部のリンパ節が瘢痕化して、それに牽引されてできる憩室で、筋層もあるため真性憩室
となります。横隔膜上憩室は胃と食道の接合部近傍にできる圧出性の仮性憩室のことをいいます。
基本的にはいずれの憩室も無症状であまり悪さをすることはありませんが、Zenker憩室では
食べ物が貯留して悪臭(口臭)の原因になります。またいずれの憩室もまれに憩室炎や出血、
穿孔の原因になることがありますので注意が必要です。