2018年にはインフルエンザ治療がかわるかも? のお話
2017/12/31
今年もすでにインフルエンザが流行しておりますが、インフルエンザの来年の新規治療の展望を
ちょっとおはなししてみましょう。まずは現状のインフルエンザ治療薬について簡単にお話をしますと、
現在使用されているすべての商品はオセルタミビル(タミフル)、ザナミビル(リレンザ)、
ラニナビル(イナビル)、ペラミビル(ラピアクタ)はノイラミニダーゼ阻害薬といって感染細胞
からウィルスが増殖して、さらに次の感染細胞へと遊離していくところを阻害することによって
インフルエンザウィルスの増殖を抑制して早期の治癒を目指す薬剤ですが、現在新薬として申請中の
薬剤はキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬というもので、従来のノイラミニダーゼ阻害薬と効く
段階が違うためオセルタミビル(タミフル)、ザナミビル(リレンザ)、ラニナビル(イナビル)に
耐性をもつウィルス株にも効果を示すと考えられます。キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬は
ウィルスが細胞に感染してウィルスのコピーを作るところを阻害することで、ウィルス増殖させない
ために早期の治癒に効果を示す薬剤です。現在は第3相試験は終了しており、なにもしていない患者さんに
比べて罹病期間が約30時間短くなったという結果でているようです。副作用も軽減されているデータ
が出ており早めの厚生省の承認がおりることが望まれますが、安全第一でもあるのでしっかり吟味して
もらうのも必要かもですが・・・今年の院長コラムはこれで終了です。皆様の2018年がよいもので
ありますようにお祈りさせていただき、2017年を終わらさせていただきます。