脱水症、熱中症に要注意
台風が去るとやはり暑くなってきましたね。ここ最近の暑さは、自分の人生の中でも1,2位を争う暑さの
ような気がしますね。東京消防庁によりますと東京都内の2018年7月21日の出動件数が3091件と1936年の
業務開始以来の過去最多を更新したとのこと、救急隊の皆様にはねぎらいと感謝ですね。
また救急隊の皆様の仕事が増えないようにわれわれ医療者としては啓蒙活動をしていきたいとおもいます。
まずは熱中症の頻度です。平成25年(2013年)6月~9月の夏季4か月 間に医療機関を受診し、熱中症関連の
診断を受けた方は約40万人であり、日本人360人に1人の計算となります。結構な頻度ですよね・・・。
そして熱中症にかかりやすい方としては、若年男性のスポーツマン、屋外での労働者男性、高齢者となって
おります。若年男性のスポーツマン、中壮年男性の労働による労作性熱中症は、屋外での発症頻度が高いですが
重症例は少ないです。危険なのは高齢者の日常生活のなかで起こる、非労作性熱中症です。屋内で発症する
非労作性熱中症で、高齢、独居、日常生活動作の低下、精神疾患や心疾患などの基礎疾患があることが
熱中症関連死に対する危険因子となっておりますのでご用心ください・・・。
また熱中症の発生には気温・湿度・風速・日射輻射 が関係し、熱中症リスク指標として
「暑さ指数 (WBGT)」が推奨されております。梅雨明け前後の暑さのピークで、熱中症の発生リスクが
最も高いとされており、重症率も高いですのでこの時期は特に注意ですね。
また、暑くなる前は、真夏よりも低い温度で熱中症が発生することもありますので、ここの部分に関しては
2019年の初夏に注意ですね。
熱中症の診断基準としては「暑熱環境における身体適応の障害によって起こる状態の総称」で、「暑熱による
諸症状を呈するもの」のうちで、他の原因疾患を除外したものを熱中症と診断すると、熱中症ガイドライン上
決まっております。また熱中症には医学的には分類があり、Ⅰ度=熱痙攣、熱失神と呼ばれているもので症状は
めまい、たちくらみ、生あくびで意識障害は伴なわず、経口補水や冷所安静、Na補充で軽快するものです。
Ⅱ度=熱疲労と言われ、頭痛、倦怠感、虚脱感、判断力の低下がある状態で、医療機関での点滴や経口補水、
NA補充、冷所安静、での加療が必要とされております。Ⅲ度=熱射病は危険です!意識障害もあり、
血液検査上の肝腎機能障害も認めており、基本的には入院加が必要となります。
小難しいことも書きましたが、まずは水分摂取と塩分摂取が基本です。あれ?いつもよりおしっこの量が
少ないかな?は脱水のサインですので、迷わずそんな時にはスポーツドリンクや経口補水液を
摂取してください。