食道カンジダ(カンジダ食道炎) のお話
2017/08/30
食道カンジダはカンジダ・アルビカンスという種類のカビにより引き起こされる病気です。
(2009年カンジダ症治療の実践的臨床ガイドラインが米国感染症学会より発表されていますので
興味のある方はご参照ください)カンジダとは口腔、咽頭、消化管、皮膚などに常在するカビ菌で、
通常病原性はありません、普段は大人しくしているカビ菌です。食道カンジダ症は日本では、
内視鏡検査を実施した症例の1%前後で見られるとされていています。最もみられる症状は、
嚥下困難、胸部不快感、胸やけ、食べ物のつかえ感、無症状の場合も多くあります。症状だけでは
逆流性食道炎とは判断がつきずらいところがあります。診断は胃カメラ(上部消化管内視鏡)で
白色顆粒の散在や白苔として見られ、厳密には採取して菌糸を確認することにより確定診断と
なります。治療は抗真菌薬(ミコナゾール、ナイスタチン、アムホテリシンB等)を使っていき、
基礎疾患をお持ちでなければ速やかに治ることが多いですが、HIVなどの基礎疾患やステロイド
投与中などではその限りではない場合もあります。上記症状などのある場合には是非御相談ください。